iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015) Fusion Drive異常 NVMe 2TB SSD へ交換 Hibernatemode

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

那覇市松尾の企業様より「ハテナマークが出て起動しません。どうにかデータだけでも取りたいのですが…」とご相談です。

確認して行きます。

ハテナマークが出て起動しません。

ハテナマークが出て起動しません。

今回もFusionDrive使用です。大抵HDD側に異常が出ている事がおおいので、まずは不良HDDから正常なドライブへのデータ複製を試みます。

損傷があると思われるHDD

損傷があると思われるHDD

 

まずはこのHDDを複製していきます。

まずはこのHDDを複製していきます。

内蔵HDDには劣化が確認出来ましたが、正常な作業用ドライブにデータを複製することが出来ました。

複製した正常な作業用ドライブで起動するか確認です。

複製した正常な作業用ドライブで起動するか確認です。

この後、液晶画面を戻し確認作業を続けましたが、残念ながらうまく動作することはありませんでした。

この段階でもデータ復旧のチャンスはありますが、Fusion Driveの復旧は工数がかなり増えますので、別メニュー扱いとなり費用がプラスになります。改めてお客様へ費用を提示してご検討いただいた結果、データ復旧までは予算が組めないということで、データ復旧は断念することに。

Fusion Driveは認識が外れていました。

Fusion Driveは認識が外れていました。

データは断念するということなので一度外れたFusion Driveに戻せるかどうか初期化を試しましたが、うまくいかずSSD側にも異常があることがわかりました。

損傷を受けたドライブの交換を進めます。従来のSATA(6.0 Gbps Serial ATA)側か、NVMe(8.0 GT/s PCIe x4)側を交換するかをご検討いただいたところ、最近かなり安くなり始めている、より速度の速いNVMeで対応をすることになりました。(サードパーティ製のNVMeディスクを使用する場合には10.13以降のバージョンのみ対応)

参考サイト:インターフェースの基礎知識 ~SSDのインターフェースを理解する 1~

要注意:

機種によっては背面のPCI expressスロットコネクタがないiMacがあります。

Fusion Drive機種は問題有りません。(基板上のパターンはあるが「コネクタ」がないので、実際に開けて確認するしかない?)

今回交換していくNVMe SSD。SSDPEKKW020T8X1 Intel SSD 760P M.2 PCIex 下はヒートシンク。

今回交換していくNVMe SSD。SSDPEKKW020T8X1 Intel SSD 760P M.2 PCIex 下はヒートシンク。

SSDPEKKW020T8X1 Intel SSD 760P M.2 PCIexは、読込速度 3230 MB/s 書き込み速度1625 MB/sと高速です。2.5インチSATA SSDだと速いスペックのもので、読込速度 560 MB/s 書き込み速度530 MB/s あたりです。

NVMe SSDは基板のウラ側にコネクタがありますので、ほぼ全分解での交換作業となります。

NVMe SSDは基板のウラ側にコネクタがありますので、ほぼ全分解での交換作業となります。

 

基板ウラ側。赤枠で囲った部分がBladeと呼ばれるMac専用NVMe SSD

基板ウラ側。赤枠で囲った部分がBladeと呼ばれるMac専用NVMe SSD

 

こちらはオモテ側

こちらはオモテ側

 

コネクタの形状がMac専用となっています。

コネクタの形状がMac専用となっています。

 

左が交換予定のIntel製SSD(変換コネクタ付)ヒートシンクを付けました。右はApple(Samsung)製SSD

左が交換予定のIntel製SSD(変換コネクタ付)ヒートシンクを付けました。右はApple(Samsung)製SSD

組み込む前に新しいSSDが正常に動作するかを他のマシンにつけてチェックします。

別のMacに取り付けて認識するかチェックです。

別のMacに取り付けて認識するかチェックです。

初期化までおこなって問題有りません。

長さが微妙に長いので、本体下部に樹脂ワッシャをかまして基板ウラにネジ止めをします。

長さが微妙に長いので、本体下部に樹脂ワッシャをかまして基板ウラにネジ止めをします。

こちらで組み上げてBig Surをインストール。お客様のお手もとには去年までのTimeMachineバックアップがあるようなので、そちらを使って復元して行きます。

TimeMachineのデータを使って復元していきます。

TimeMachineのデータを使って復元していきます。

ユーザーデータの復元が全て終わりました。

サードパーティ製NVMe SSDを使った場合、スリープから戻らない問題が発生する場合がありますので、スリープのモードをセーフスリープに切り替えます。ターミナルを使ってhibernatemodeの切り替えです。

参考:

How to Hibernate a Mac

MAC OS Xのスリープ方式(ハイバネーション)を変更する方法(要点のみ)

macOS 11.3 Big SurではApple M1チップ搭載のMacBook Air/Proでもハイバネーションが利用可能に

hiberbnatemode = 3 "safe sleep"

hiberbnatemode = 3 “safe sleep”

TRIM設定もOKです。

TRIM ON

TRIM ON

ディスクベンチとってみましょう。

理論値よりはさがりますが、2.5インチSSDと比較すると読み出しが5倍、書き込みは2.5倍程度出ています。

理論値よりはさがりますが、2.5インチSSDと比較すると読み出しが5倍、書き込みは2.5倍程度出ています。

8.0 GT/s PCIe x4の威力発揮ですね。

全て完了です。

全て完了です。

こちらにて作業完了です。ご利用ありがとうございました。

 

ドライブに障害がではじめると、たいてい動作が遅くなることが多いです。

「いつもより遅くて変だな?」

などと感じたら、お気軽にご相談ください。特にFusion Driveは、日常使用時にTimeMachineなどでバックアップをとることをお薦めします。FusionDriveでも復旧は目指せますが、HDD1台の復旧より余分なコスト、時間がかかります。

ちなみに自分の使っているiMacがFusionDriveかどうかを調べる方法は、左上の「このMacについて」 > 「ストレージ」を開くと分かります。

この「Macについて」の「ストレージ」

この「Macについて」の「ストレージ」

下記の順で速くなります。

  • SATAドライブ
  • Fusion Drive(※読み出しにおいてはNVMe、書き込みにおいてはSATA並)SATA HDDとNVMe SSDの間↑↓
  • ソリッドステートSATAドライブ(SSD SATA)
  • ソリッドステートPCI-Expressドライブ(SSD NVMe)

特に上記画像で「SATAドライブ」と書かれている場合にはかなりの速度アップが期待出来ます。お気軽にお尋ね下さいませ。

 

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください