浦添市より「最近何をやるにしても速度が遅くて困っています。また始終ファンもうるさいのです。」とご相談いただきました。
起動させますとけたたましくビープ音が鳴ってちょっとビックリ。駆動用のバッテリーが劣化したので、普段は外して使っているとのこと。そのせいのビープ音だと思われます。「何かが異常ですよ」という際になるのがビープ音なのですが、動作しているので大丈夫ということでしょう。おそらく内蔵CMOSの異常かもしれません。
デル製ノートパソコンのビープ音について
ファンが始終まわってしまうのはCPUグリスの塗り直しで改善する可能性がありますね。
さて、本題の「動作が遅い場合」について調べて行くことにします。まずHDDの不良が考えられます。一通り確認しますと、HDDの容量が真っ赤なバー表示。データがパンパンに入っている様です。これでは快適に動作するわけがありません。
なんでも最近、動画ファイルをたくさんコピーしたとのこと。容量に気づかずコピーをしてしまったために動作不良を招いてしまったようです。
HDDやSSDの空き容量は通常20%程度ある方が望ましいとされています。(例:500GBの場合100GB)容量いっぱいで使い続けると最悪は動かなくなる事もありますのでご注意下さい。
さて、現在使用されているのは500GB HDDですので、1TB への増量をご提案。そのまま作業を進めることになりました。
底面にはHDDにかんたんにアクセスできる部分がないため、リアパネル全体を外してみることにします。
リアパネルのネジを全部外しましたが、うまく外れません。
この辺りから
「かなり分解しないとHDDに到達できないかも…」
と思い始めています。
ウラがダメならオモテでしょう。
ということで4箇所の抑えツメからキーボードを外し、その下にHDDがないか覗いてみました。
ここでもHDDを見ることはできませんでした。さらに分解を進めます。キーボードフレキ以外にもトラックパッド、電源スイッチ、トップケース右奧のLEDランプ、あちこち外すべきフレキ類を先に外すのを忘れずに。
上蓋は外れ、基板が露出しましたが、HDDにはまだ到達できません。このモデルの底面は本体ケースを兼ねていました。基板手前をみますと、ハードディスクらしき部品が見えています。基板のウラに付けられている様ですので、基板を外す必要があります。
CMOS電池は上記写真の左下にあります(写っていません)CMOS交換だけでもここまで開ける必要があります。
さて、右奧のWi-Fiアンテナ、手前にも1個あるコネクタ類を注意深く外して、マザーボードを外す準備です。
ネジは基板上に「△」マークがついた4箇所を外します。
さて、これですぐに外れる…と思いきや、
マザーボードは右、左のドーターボードに繋がっていました。コネクタなので真上に持ち上げれば良いだけですが、きつめにはまっているのでちょっとだけ勇気が要ります。
ようやくHDDに到達です…。
ゲー、
ながかった。(子どもの頃「ゲー」ってまあまあ使ってました。そういえば最近聞かない。)
まずはHDDを取り外し、新しいSSDに複製作業を始めます。その間CPUのグリスのチェックです。
CPUグリスを塗り直し後、SSDへの複製の完了を待って、再度組みあげていきます。忘れずCMOS電池も交換します。
組み上げて最初の電源投入です。ビープ音なりませんね。CMOS電池の劣化だったと思われます。
こちらもそのまま待っていますと、自動で再起動になり、無事正常起動するようになりました。あとはいらないパーテーションDドライブがありましたので、ツールを使ってCドライブに結合しました。
起動してしばらくしてもファンが始終高速回転することも無くなりました。
全ての不具合を解消することができました。これにて完了です。
ご利用ありがとうございました。