取引先の企業様より「個人のHDDが認識しなくなったのですが復旧できますか?Macにつないでも全く反応しないんです。」とお問い合せ。
まずは見せて頂く事になりました。
最近はあまり使ってなかったが、久しぶりに繋いでコピーなどをしていると突然認識しなくなったとのこと。
外付けHDDは、ドライブ自体がおかしくなる場合の他、外付けのケース自体が壊れることも多いです。まずは分解して内蔵HDDを別のケースに繋いでPCで確認しましたが、SMART異常は出ていません。普通にマウントもしたのでケースだったということでしょうか?
しかし残念ながらそのままPCに繋いでもデータをコピーすることはできませんでした。修復が必要の様ですが、詳しく調べる前にまずは複製ができるか進めてみます。
複製完了まで数日かかってます。正常表示が出ててこれは変です。
内蔵HDDをチェック
このグレーのステッカーを剥ぐと
ステッカーの下に隠れて見えていた検査済のシールの「荣发科技」という企業名は実在している様ですが、2TB表記のシリアル付ステッカーとこの検査済シールは無関係かも知れません。なんでしょうねこのディスク。
どうも、この溶剤で消されている部分は、すべて容量が書いている箇所の様です。2年程前に激安の2TB USBメモリで聞いた事のある容量偽装と似た件かも知れません。HDDでもあったのかも?という疑念が涌いてきました。
元のラベルの型式から
似た型式の画像を探して比較してみたところ、2TBではないと思われ。
容量偽装の疑い
ここでネットで情報を調べて見ますとほぼほぼ同じ様な偽装の件がありました。
そのSSDやSDメモリーカードは大丈夫?――データ復旧会社から見る容量偽装の今
安いリサイクル品を入手して容量偽装をすれば、わざわざ新品利用するよりは差益は出ますから、ベースがリサイクル品なのかも知れませんね。検査済のシールを残していることも信頼度アップさせようとしていると言うことなのかも知れません。
データは100GBあまり
2TBと書いてあっても元のディスクが120GBだとするとその領域にしかデータは存在できません。取れたとしても100GB程度になるはずです。
ただ、お客様は100GB程度しかコピーしてないはずとの事でした。今回はもしかしたら、それを超えてデータを記録しようとした後に、おかしくなってしまったのかも知れません。
結果データはほぼ取れましたが…
先に行ったバックアップ先の2TBディスクには複製はできていましたので、改めてオリジナルディスクを確認します。最初の正常表示の際には普通にPCで接続、マウントできていましたが、確認しようと繋ぐとPCがフリーズしてしまいました。正体がばれてきたので開き直って本性を現した感じです。(笑)
データ復旧マシンに繋いで詳細を確認していきます。
偽装確定
本体ラベルは、
- HTS541612J9S*** HITACHI製
- 2.5インチ120GB HDD(サイズは推定)
PC-3000の表示は、
- ST2000LM024 SEAGATE製
- 2.5インチ2TB HDDの型番
ああ、偽装確定ですね。
貼られていたステッカーのシリアルSN:WZ5PO7XEもドコにも表示がありません。何台偽装HDDを製造したのかわかりませんが、もしかすると全部同じシリアルになっているかもしれませんね。笑
先の記事の
1つは、偽装のためにわざわざ基板を製造しているというところだ。容量偽装は、中古の128GBのHDDを新品の2TB HDDとして偽装するなど、二束三文の価値しかなくなった機器を市場価値の高い商品と偽って出荷するパターンが多い。
「基板を製造」とはファームウェアを書き換えているなどなんでしょうね。そうなると手元で無限に増産ができますね。一体何台流通させたのでしょうか。電気屋さんも知らずに仕入れている可能性があるとか…いまだに市場に出回っていたりするとこわいですね。
これで一体いくら儲かるのか
どうでもいい話、ケース込みで1個300円程度で作って、6000円で1000個売ったとしたら、30万円のコストで600万円になって、570万円の儲けですよ!奧さん!ヨーロッパ行けますね。っていうか、日本だけじゃなくて世界で捌けばウン万個でもおかしくないか。多く作ればより1個あたりのコストは下がるはずですし、そうやって作れば作る程、儲かりますし。
実質120GBって、2TBの一割も無いという。どんだけ犯罪者にとってオトクなのか!
なんちゅう意味のない計算!!!!
ただ、あまりたくさん作るとばれる確率が高くなるので、少人数のやり逃げっぽい気も。もしも2TBポータブルを売価3000円(空想)とかの激安価格で数を多めに販売してるとしたら、「やっぱり安いディスクはダメだな!」って直ぐに諦めて捨てちゃう人を期待している価格設定かもしれず。特に日本人。笑
しかも、やり逃げだと捕まる危険もないと。考えれば考えるほどなかなかの頭の良い(違)あくどい商売です。
というところで、
100GB程は問題無く救出
幸い、お客様のデータは、「ほぼほぼ大丈夫だった」とご確認頂きました。
こちらにて完了、一安心です。
今回は私も勉強になりました。ご利用ありがとうございました。世の中気を抜いたらやられますね。)^o^(
今回の様に偽装であるかどうかは、ケースを開けてみれば一目瞭然なのですが、普通外付けHDDを買う前にケースを開けて確認することは出来ませんから、特にノーブランドの外付けHDDには手を出さない方が良いかもしれません。
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