那覇市松尾の企業様より「ハテナマークが出て起動しません。どうにかデータだけでも取りたいのですが…」とご相談です。
確認して行きます。
今回もFusionDrive使用です。大抵HDD側に異常が出ている事がおおいので、まずは不良HDDから正常なドライブへのデータ複製を試みます。
内蔵HDDには劣化が確認出来ましたが、正常な作業用ドライブにデータを複製することが出来ました。
この後、液晶画面を戻し確認作業を続けましたが、残念ながらうまく動作することはありませんでした。
この段階でもデータ復旧のチャンスはありますが、Fusion Driveの復旧は工数がかなり増えますので、別メニュー扱いとなり費用がプラスになります。改めてお客様へ費用を提示してご検討いただいた結果、データ復旧までは予算が組めないということで、データ復旧は断念することに。
データは断念するということなので一度外れたFusion Driveに戻せるかどうか初期化を試しましたが、うまくいかずSSD側にも異常があることがわかりました。
損傷を受けたドライブの交換を進めます。従来のSATA(6.0 Gbps Serial ATA)側か、NVMe(8.0 GT/s PCIe x4)側を交換するかをご検討いただいたところ、最近かなり安くなり始めている、より速度の速いNVMeで対応をすることになりました。(サードパーティ製のNVMeディスクを使用する場合には10.13以降のバージョンのみ対応)
参考サイト:インターフェースの基礎知識 ~SSDのインターフェースを理解する 1~
要注意:
機種によっては背面のPCI expressスロットコネクタがないiMacがあります。
Fusion Drive機種は問題有りません。(基板上のパターンはあるが「コネクタ」がないので、実際に開けて確認するしかない?)
SSDPEKKW020T8X1 Intel SSD 760P M.2 PCIexは、読込速度 3230 MB/s 書き込み速度1625 MB/sと高速です。2.5インチSATA SSDだと速いスペックのもので、読込速度 560 MB/s 書き込み速度530 MB/s あたりです。
組み込む前に新しいSSDが正常に動作するかを他のマシンにつけてチェックします。
初期化までおこなって問題有りません。
こちらで組み上げてBig Surをインストール。お客様のお手もとには去年までのTimeMachineバックアップがあるようなので、そちらを使って復元して行きます。
ユーザーデータの復元が全て終わりました。
サードパーティ製NVMe SSDを使った場合、スリープから戻らない問題が発生する場合がありますので、スリープのモードをセーフスリープに切り替えます。ターミナルを使ってhibernatemodeの切り替えです。
参考:
MAC OS Xのスリープ方式(ハイバネーション)を変更する方法(要点のみ)
macOS 11.3 Big SurではApple M1チップ搭載のMacBook Air/Proでもハイバネーションが利用可能に
TRIM設定もOKです。
ディスクベンチとってみましょう。
8.0 GT/s PCIe x4の威力発揮ですね。
こちらにて作業完了です。ご利用ありがとうございました。
ドライブに障害がではじめると、たいてい動作が遅くなることが多いです。
「いつもより遅くて変だな?」
などと感じたら、お気軽にご相談ください。特にFusion Driveは、日常使用時にTimeMachineなどでバックアップをとることをお薦めします。FusionDriveでも復旧は目指せますが、HDD1台の復旧より余分なコスト、時間がかかります。
ちなみに自分の使っているiMacがFusionDriveかどうかを調べる方法は、左上の「このMacについて」 > 「ストレージ」を開くと分かります。
下記の順で速くなります。
- SATAドライブ
- Fusion Drive(※読み出しにおいてはNVMe、書き込みにおいてはSATA並)SATA HDDとNVMe SSDの間↑↓
- ソリッドステートSATAドライブ(SSD SATA)
- ソリッドステートPCI-Expressドライブ(SSD NVMe)
特に上記画像で「SATAドライブ」と書かれている場合にはかなりの速度アップが期待出来ます。お気軽にお尋ね下さいませ。