「知り合いのSSDを繋いだら、自分のMac自体がおかしくなってしまって起動しなくなりました。これは直せるでしょうか?またデータが重要なのですが…」とご相談いただきました。
店頭で確認したところ、りんごループが2、3回続いた後、自動で「復旧(リカバリー)」モードで起動しました。お知り合いのSSDもその後障害が出てしまっていた様ですので、直接的にどちらかが原因ともわかりません。もう少し見ていきます。
問題が発生したため”復旧”でコンピュータが起動されました。
Macの起動中にエラーが起きました。問題を解決するには、macOSを再インストールしてください。「OK」
気づくと
タッチバーも表示されていません
ハード的になんらかの異常があるのかもしれません。嫌な感じです。
ディスクユーティリティで確認
このままシステムを上書き?
システムを上書きインストールでうまく行く可能性もありますが、失敗してデータを吹っ飛ばす覚悟が必要です。
データが重要とのことなので、まずはデータ救出から試みることにします。内臓ドライブは外せませんので、ターゲットディスクモードでデータが見えるか確認してみます。M1マシンではターゲットディスクモードはなくなり、
「ディスク共有」
という機能に変更されています。他のMacにケーブルで直結するのは同じですが、データを引っ張る側のMacのFinderに自動でマウントはせず、ネットワークを開いてsmb経由で接続する必要があります。
残念ながらネットワークを開いても表示はされませんでした。救出される側のマシンに異常があるとこの方法は取れないのかもしれません。これからすると、ケーブルを繋げばほぼ外付けHDDの様にデータを確認できる、ターゲットディスクモードの方が優れているのかもしれません。
ディスク共有は❌
ということで、別の方法をとります。
外付けからの起動はどうでしょう
結論、起動ディスクで設定しても、オプション起動で選択しても
外付けからの起動は❌
でした。何を選んでも全て復元モードでしか起動しません。セキュリティ周辺のレベルを上げすぎて、外付けからは勝手に起動できないややこしい仕様になっているのかもしれません。個人的にはT2チップやタッチバーが出始めてから訳のわからない不具合が多くなったと感じています。
もしかして
このマシンの復元モードを使って外付けドライブに新規でシステムインストールすれば起動できるかも?
順調にすすんでいますが、
結論、途中でエラーになり
しばらくして気づくと毎回「復元」モードの画面に戻っていました。うすうすそんな気はしていましたが…。
データ救出の最終手段
「復元」モードのままチェックしていくと、APFSコンテナのData領域からユーザーデータが取り出せそうなことが判明しました。まずは救出できるであろうファイル名を取得。一覧用のテキストデータを作り、お客様に確認してもらいました。
ゴーサインをもらいましたのでデータファイル救出を進め、救出できたデータをお客様に再度確認してもらったところ、必要なデータが救出できていることがわかりました。一安心です。
データ復旧はここで一旦完了。
次の目標は、
本体側を動作させること
この後はデータを消しても良いご了解をいただきましたので、本体側の動作改善を目指します。まずは最初に試せなかった
上書きインストールです
しかし、こちらはすぐにエラーが出てしまいました。
残るはドライブの初期化と、そこまでうまくいけば新規インストールで臨みます。
「Macを消去 ー これらのボリュームを消去または削除するには、このMacを完全に消去する必要があります。これにより、このMacの全てのボリュームのメディア、データ、設定のすべてが削除されます。このあMacを再アクティベートしてmacOSを再インストールするには、インターネット接続が必要です。」
「Macを消去」を押します。
勝手に再起動になりました
その後、また復元モードで起動するところまできましたが、本体側は依然
タッチバーはつかないまま
まずは最初にアクティベートする必要があるとのことなので、Wi-Fi設定をしますと…、
これで全ての制限が解除されて、具体的な作業に入っていけるはずです。
ディスクユーティリティを見ると、「Untitled」になってましたので、いつものデフォルト名称に変更します。Macintosh HD
続けてインストールします。
うまく起動しました!しかし
そんなことあるのか?
と思いつつ、仮のユーザーで設定を進めますと、プリッと
タッチバー復活…
なんですかこれ?でも結果オーライ
というところで全ての作業は完了です。
最終的には全て改善することができて、お客様にもお喜びいただくことができました。
ご利用ありがとうございました。