「バッテリーも膨れていますが、本体が熱くなり起動途中で落ちてしまったり、動作が重くなることが多くなった」とお問い合せです。
毎回、起動途中で落ちてしまう、本体が熱く動作が遅いなどの場合に疑われるのは、
- ファンがまわっていない
- ドライブの異常
- バッテリー異常
まずは目視でも膨張がわかるバッテリーの交換からすすめていきます。
お客様はお仕事の都合上お急ぎでお使いになりたいとのことでしたが、データが飛ぶのはは困るということでしたので、内蔵SSDは脱着ができることから同年式の当店の備品、正常動作マシンに載せ替えて問題ないかの確認を行い、大事をとってバックアップを進めておりました。バッテリー交換と並行して進めることにしました。
さて、バッテリー交換、TImeMachineバックアップ両方とも完了しましたので、お客様のマシンで一番の不具合である「途中で落ちる」件をここから検証していくことにします。
備品マシンでの動作は特におかしいところもなかったのでSSDに異常はないはずですが、お客様のマシンでは起動途中で落ちることが確認出来ました。本体が熱くなっていますので、熱暴走だと思われます。
背面を開けて内蔵ファンの動きを見ますと、どうも起動時に正常にまわっていない様です。開けた背面に他のファンでも風送りながら起動させた所、なんとかFinder画面まで起動することができたので、ファンコントロールソフトを入れてみたところ動作しはじめましたのでフルに回転させてみました。
すると
かなり高い温度が確認出来ました。CPU周りを触るとヤケドをするくらい熱くなっています。
これではフリーズしてもしょうがないですね。起動する度にリアパネルを開けるわけにもいきませんので、リアパネルを閉じた状態でも起動する様、可能な放熱対策を考えてみましょう。
数%の改善は望めるはずです。この機種はそもそもこの空冷システムでのi7クラスのCPUはちょっと無理が有るのかも知れませんね。ヒートシンクちょっと小さすぎじゃないかと思います。
案の定この機種はネットで探すと熱問題に関しての言及が多くありました。
参考:MacBook Proの熱問題を解決してパフォーマンスを上げる方法
まずはFinderまで行かないとアプリによるファン強制回転もできません。
起動時にいろんなアプリが起動して高負荷が続いて発熱が高くなると、暴走しないまでもCPU自体の速度も自動的に遅くなるので、あれこれ相乗効果でダメダメな状態になってしまいます。ログインオプションで自動ログインに設定、そしてさらに起動時の負荷をできるだけ下げるためにファンコントロール以外のログイン項目も止めることにしました。
ここまでの設定で何度再起動してもフリーズすることはなくなりました。どうやらうまくいきそうです。
めでたしめでたし
ファンはうるさいですが、少し様子経過を見てみましょう。
アイドル時になると30°C台にも下がることがわかりました。
上記の様に温度が低くなればファン設定を自動にすれば静かになることもお伝えして完了です。ファンも正常に回転していることから、温度センサーがおかしかった分けでは無いようです。最近Mojaveにアップデートしたとのことなので、以前のOSXバージョンよりこの機種においての動作のバランスが悪いのかも知れませんね。
ご要望通り1日お預かりで返却することができてよかったです。
ご利用ありがとうございました。
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