おもろまちより常連のお客様「突然奧さんのiPhoneがアップルマークは出るが、起動しなくなった。バックアップは取ってないらしくて、なんとかしてほしい」とご相談です。
ずっとアップルマークのまま動作しないということはバッテリー不良の可能性は低いですが、古い機種ではあり得ないことでもないので、まずはバッテリー交換をしてみます。
バッテリー自体は劣化していると思われますが、やはり起動しませんでした。
その他カメラなどの各部の部品に異常がある場合もあるので、外して起動などを行いましたが、症状は変わりません。
巷で「アップルループ」
などと呼ばれるこの症状は大きくわけて
- 起動のためのシステムが破損している
- チップに損傷がある
と考えられます。
1の場合には主にはアップデート失敗が多いのではないかと考えます。原因としてはWi-Fiが弱い場所でアップデートをした、アップデート最中にバッテリーが突然落ちてしまった、もともとのiPhone側の空き容量が少なかった等があるかと思います。引き続きアップデートが進むのであれば問題無く解決するはずなのですが、その様子はありません。
2、3の場合、まずはチップのハンダ付けが外れることで起動システムを読み切れずにフリーズするパターン。経年でもあり得ますが、通常は落下などの衝撃を与えて即死する他、ジワジワ時間が経ってから悪くなったりすることもある様です。この場合基板を直接温めながら起動すると運良く動作することもあることはあります。試して見ましたが、今回は動作しませんでした。この様な場合はいずれも基板修理対応が必要になるかと思います。
さて、データが必要という件について
対処としては本機を基板修理するという手立てがありますが、まずはiCloudバックアップ上に必要なデータがあれば壊れた本体を直す必要はないはず。ということで、お客様に相談しデータを確認するご了解を得ましたので、Apple IDを使いMac側でiCloudサーバを確認してみましょう。
MacでもPCでも
から、Apple IDを使ってiCloudにバックアップされたデータを確認することができます。
通常は2段階認証をご利用になっていますから、その場合別に動作するApple Deviceが必要になります。お客様はこの動作しないiPhoneしかお持ちで無いとのこと。今回は店頭のiPhoneに壊れた本体の電話番号が入っているSIMを入れて、紐づけされた携帯電話の番号へ送られてくるショートメッセージ(SMS)を介して認証を行うことにします。(Apple IDとパスワードを確認しますので、この件が終わった際にはパスワードを変更して貰います。)
※以下の参考写真はiPhoneの画面ではありませんが、手順的には一緒です。
許可するを押すと2段階認証のコードが送られます。iPhoneだとApple IDに紐づけされているSMSに送られてきます。
手順に問題無ければiCloudサービスにログインできます。
写真アプリ内のデータがどこからどこまでバックアップされているのかで有る程度判断は付くかと思います。
上記の様に今年の12月のデータもバックアップされていましたので、必要なデータはiCloudにバックアップされている可能性が高いことをお伝え。
この後、別の動作するiPhoneに、iCloudサーバからデータを復元して、手元で確認してみてはどうでしょうと提案。もしそこに必要なデータがなければ、再度壊れた本体の基板修理を試みるという流れです。
今回は、当店で販売中の同機種整備品をお買い上げ頂き、復元作業を続行することになりました。
(復元途中に際しアップデートが必要でWi-Fiを拾わないなど少々のトラップ(笑)がありました。こちらは別のトピックで書いてみることにします。)
復元は無事おわりました。あとはお渡ししてデータなどをご確認いただいて必要であれば再度基板修理をご検討頂くと言うことで今回の作業は完了です。
お客様にも「助かりました」と仰って頂けました。ご利用ありがとうございました。