【TIPS】空間除菌のための噴霧器は コンピュータ故障のもと?

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ようやく人の流れがコロナ禍以前にもどりつつある様な気もしてきましたが、依然、景気が簡単に回復することもなさそうです。しばらくは辛抱しなきゃいけませんね…。

さて、本日は特にコロナ禍に入って「修理持ち込みが増えた」と体感しています事例について。

「突然動かなくなった!」

とご相談をいただいて、きっかけや兆候がなかったかと同時に使用環境もお尋ねしていますが、最近お持ち込みいただく故障について、使用されているオフィス環境の共通点として見られるのが、

消毒成分を含んだ薬液を噴霧する空間除菌機材がある

ということ。(次亜塩素酸水などの噴霧によるコロナ除菌の可不可についてや消毒液宣伝のための記事ではありません。)

空間除菌のための噴霧イメージ

空間除菌のための噴霧イメージ

これまでも湿気が高い部屋で使用される電子機器は壊れやすい

という認識は当然ありました。

空間除菌機材の噴霧による故障の可能性ではないか?と考える様になったのは、1〜2年のうちに電源部を3回交換修理をしたある企業様でのiMacの修理事例です。これはいくらなんでも故障が多すぎるとクビをひねっている最中、同じオフィスで他のiMacで同様の故障が起きたことから、そのオフィス環境にある「空間除菌のための噴霧器」に疑いを持ったことがきっかけです。

この件については電源修理を専門にされている方にも意見を求めると「大メーカーでも可能性としてはあると述べている」とお返事を貰ったことも一定の裏打ちになっています。

つい先日には、お持ち込みされたマシンの内部にはじめて目視で水滴の点在を発見しました。このオフィスも噴霧器があるとのことでしたので、他社様の事例もコロナ禍に増え始めていることを付き合わせて考えると、今では、やはりこの空間除菌機材を置いていることが故障の原因として間違い無いと思っています。

 

消毒成分を含んだ水分の噴霧で起きる故障

壊れたPCには主に以下の様な特徴があるように思います。

  • 内部にひどいサビが発生している。
  • 多くのホコリが付着している。

下記画像は新品から2〜3年ではあまり見ることのないサビとホコリのあるiMacです。内部に空冷ファンがあるコンピュータは空気と一緒に水蒸気も吸ってしまうためだと思われます。

新品から3年目のiMacの内部。

新品から3年目のiMacの内部。

 

これは水気が垂れて結晶化しているようにも見えます。

これは水気が垂れて結晶化しているようにも見えます。

 

電源ユニット。こびりつくのはホコリ?不純物の結晶化?

電源ユニット。こびりつくのはホコリ?不純物の結晶化?

沖縄はそもそもが湿気の高い地域です。特に南城市の霧の発生が多い地域などでは、似たような故障が多いというのもヒントになりました。ただし内部のサビは通常の水だけの水蒸気ではありえないほどの腐食ですから、

次亜塩素酸水などの消毒成分によるもの

ではないかと考えています。普通の水だけの加湿器ではこのような状況にはならないと思います。

液晶ウラが水気を含んだ何らかの物質が白く広がっています。中央はティッシュで吹きとった際のスジ。

液晶ウラが水気を含んだ何らかの物質が白く広がっています。中央はティッシュで吹きとった際のスジ。

内部にひろがった水気にホコリがまんべんなくついたとも考えにくいですね。取り込んだ水分に含まれるなんらかの成分が結晶化しているように思います。

噴霧される消毒成分にもいろいろあるようですが、名前をよく聞く

次亜塩素酸水を中心に

このブログを書くまで噴霧器や消毒薬液について特に次亜塩素酸水を中心にいろいろ調べてみたのですが、基本、次亜塩素酸水は有機物(動物、植物)に触れた時点で水にかわるとされているせいか、乾燥時に残留物がでるかどうかの情報記事はすぐには発見することはできませんでした。もしかしたらこのオフィスにある噴霧器では特殊な薬液を使っていた?(ちなみに次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム(劇薬)は違いますのでご注意下さい。)などと考えていますと、ありました。

次亜塩素酸水は本当に水に還る?次亜塩素酸水の性質と安全性について

次亜塩素酸水には水に還る性質、正確にいえば有機物に触れるとただの水とわずかの塩に分解される性質があります。

わずかの塩だとしても長期間、継続的に吸入して乾燥していくと有る程度の塩の結晶化、固着があっても不思議ではないということになりそうです。また、長期間安定しないと言われる次亜塩素酸水を、使用にあわせて都度生成するためのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末もあるようです。だとすると答えはほぼ確定と言って良いかもしれませんね。

もしかして乾燥しない?

以下は電源ユニットに見られた水滴の画像です。前日夕方から放置しても水滴が消えません。

あちこち水滴が見られます。前日の19時。

あちこち水滴が見られます。前日の19時。

 

明くる日の9時。水滴が消えません。

明くる日の9時。水滴が消えません。

ちょっとこの辺りを見るとこれは次亜塩素酸水なの?有機物以外についた場合は乾きにくい?紫外線では分解するとあるが暗いマシン内部では乾かない?などハテナマークがいっぱい…。コロナ禍に入ってから多方面での使用になったのでまだまだ調べてもわからないことだらけです。(そもそもこれが次亜塩素酸水なのかどうかすらわかってはいないのですが)

 

さて、経済産業省では

次亜塩素酸水について、以下のように述べています。

次亜塩素酸水の空間噴霧について(経済産業省)

新型コロナウイルス対策における「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート)

5.「次亜塩素酸水」の物品に対する一般的な影響 次亜塩素酸によって金属が腐食する可能性があるほか、ゴム類も劣化するとの研究がある

経済産業省ですら科学的実証をした上で情報を書いているわけでも無いことと、今回の記事については当方の「主観」によるものですので、推測の域は出ませんが、電子機器の近くでの空間除菌のための薬液噴霧はできるだけ避けていただくか、噴霧器を導入される際には、オフィス自体の広さや空気の流れなども合わせて是非ご検討いただけるとよいかと思います。

以下参考

次亜塩素酸水とは

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