2017年あたりのiMacは、最新のmacOS Monterey 12 へもアップグレードできるのですが、FusionDriveでもない転送速度の遅い単体HDD搭載モデルですとかなりの速度低下がある様です。
新しいバージョンのmacOSには新機能も追加されますからついついアップグレードしたくなりますよね。
しかしHDD単体モデルでMontereyにアップグレードをしてしまうと、2017年以降のi5モデルでは何をするにもレインボーカーソルが回ることになり、全く仕事にならない様です(私個人の体感では2019年のi5、FusionDrive(SSDとHDDの合体ドライブ)搭載モデルあたりがぎりぎり使える速度の様な気がします)。
お仕事でお使いの方はうっかりアップグレードしてしまわないようご注意ください。仕事がはかどらないばかりか、余計なストレスまで溜めてしまうことになりかねません。
以下、参考までにHigh Sierra(10.13.6)とMonterey(12)にした場合の転送速度を見ていきます(実際にはMontereyで動作していたHDDからデータを取りだした後に、HDDを初期化して再度HighSierraを入れ直してチェックしました。なのでメモリが8GBから32GBになっています)。
画像1:HDD High Sierra
- APPLE HDD HTS541010A9E632(オリジナルのHDD)
- macOS High Sierra 10.13.6
- メモリのみ増設した状態(8GB > 32GB)
画像2:HDD Monterey
- APPLE HDD HTS541010A9E632(オリジナルのHDD)画像1と全く同じもの
- macOS Monterey 12
- メモリ8GB
上記は全く同じiMac、同じHDDを使用。OSのバージョンが違うだけで、HDD自体の速度や、バス速度が変わるわけもないはずですが、ここまで転送速度が変わるってのも不思議と言えば不思議ですね。
上記二つの場合の起動速度比較の動画
起動スピードだけでかなりの速度差です。
もちろんアップグレード直後はいろんなファイルの更新などがバックグラウンドで走るので動きが遅くなるのは当たり前です。ただその後1日2日すればおそらく更新も全て終わり、通常の速度に戻っているはずなのです。今回のお客様はアップグレードはしばらく前に行われたとのことなので、単純にMontereyの動作が「重い」と言って良さそうです。
Montereyが搭載できるのは2015年から最新機種まで。速度が遅いとネットでも多く聞かれますが、その大半は2017年モデル以前だと感じています。
数件のお客様のマシンを見た限りでは、下記モデルでHDDの場合はMontereyへのアップグレードはお薦めしません。電源投入しての起動に5分以上かかってくるマシンでは、もはや仕事になりません。
以下のマシンは要注意
- iMac (21.5-inch, Late 2015) 特にこの機種。i5 1.6GHzの場合は遅すぎて泣きます
- iMac (Retina 4K, 21.5-inch, Late 2015)
- iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015)
- iMac (21.5-inch, 2017) この機種も問答無用で遅いです。
- iMac (Retina 4K, 21.5-inch, 2017)
- iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017)
どうしてもMontereyを使いたいと言うことであれば、
内蔵のHDDをSSDに交換するなどの速度アップ対策
が必要だと思います。
2019年モデルでも同じくHDDの場合にはMontereyへのアップグレードは見合わせた方がいいかと思います。2019年モデルのi3搭載機種も厳しいでしょう。
ではHDDをSSDに変えた場合の速度比較です
画像3:SSD Monterey
- CRUCIAL CT1000MX599SSD1(SSD)
- macOS Monterey 12
それでもどうしても
HDDのままMontereyを試して見たいユーザーは事前に
TimeMachineでのバックアップ
を取ってからアップグレードして下さい。それさえやっていれば、